クライアント:ジェンダー史学会様
グラフィックデザイン:小田原澪(合同会社いとへん)
人類の歴史におけるさまざまな学問領域を、ジェンダーの視点から研究している研究者が所属する「ジェンダー史学会」。15回目となる年次大会のポスターとフライヤーの制作を担当させていただきました。
大会は一般に開放されていますが、とくに注目してもらいたいのがシンポジウムとうかがい、シンポジウムのテーマを大きく掲げたデザインにしました。
今回のテーマは「男性史の新展開〜対抗文化と男らしさに着目して」。対抗文化とは、主流で支配的な文化に対峙するもので、カウンター・カルチャーやサブカルチャーとも言われます。
一見、文化とは性別を問わずに、あらゆる性を包含して形作られているように感じられますが、長らく社会の中心を男性が占めていたために、主流の文化は男性中心と言わざるを得ません。では対抗文化がどうだったかというと、これまた残念なことに、対抗文化ですら男性中心と言えそうです。
そんななかで「男性史」とは?
「人の歴史=実は男性の歴史」ではない、「男性の歴史」とは?
そんな「?」を抱えて聞いてみたいシンポジウムになりそうです。
学会のポスターとしてはあまり見かけない色合いに仕上げました。
“ありきたりなもの”“馴染み深いもの”“無意識”のなかに、「男性性」が色濃く潜んでいないか。そんな疑問を心に湧き立たせることを願って色を選びました。
合同会社いとへんでは、ジェンダーについて丁寧に取り組んでいきたいと考えています。いとへん初のジェンダー界のお仕事でした。

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小田原が合同会社いとへん在職中に公開した記事です。旧合同会社いとへんWEBサイトから転載しました。