我が家は木の茂みに隣接していて、街場ながら森の中に暮らしているように快適なのですが、一点問題がありまして、衣類の虫喰いが非常に多い。ウールとシルクが標的になりやすい。虫は動物性タンパク質を好むのでしょうか。
どれもこれも虫が喰っているのかもしれませんが、薄手のセーターはすぐに貫通してしまいます。
このセーターも去年買ったばかりですが、さっそくやられました。
背中側の右腰と右袖の真ん中あたりに、虫喰いがくっきり。
薄手セーターは全滅の勢いなので、これまでも多数の繕いに挑戦してきました。きれいに跡形もなくかがるのは、プロではないので正直難しい。そこで穴の上に刺繍をして塞いだり、縫い閉じてから縫い目を隠すために刺繍したりしていました。
でも、刺繍で縫い閉じるの、けっこう大変なんです。刺繍のパターンを穴の大きさによって考えなくてはいけないし、ニットはふにゃふにゃして針を刺しにくいし、糸の端の結び目が着脱している間に出てしまって刺繍が緩みそうだし、袖のようなところは作業するには狭い。
どうにか穴の繕いが簡単にならないものか。
(しかもそれなりに素敵に)
我が家には差し迫った大きな課題でした。なにせ毎年、何着も繕ってますから。
そこで考えたのがミニワッペン作戦です。
穴の大きさよりやや大きなフェルトに刺繍してワッペンを作り、穴に貼る。
フェルトはそれ自体に端の処理がいらないので、扱いが楽です。ニット類との親和性もあります。
刺繍しなくてもいいかもしれませんが、まっさらなフェルトが貼ってあったら、いかにも「元は穴でした。塞いであればなんでもいいんです」という投げやり感が出てしまいそう。刺繍してあれば、「とても気に入っているセーターだけれど、心ならずも虫喰いができてしまいました。でもセーターの寿命が尽きるまで大事に着続けたいので、このセーターへの熱い思いを刺繍に表しました」となるではないですか。(やや強引)
そうして繕った状態がこちら。


自画自賛ですが、この作戦はいい!
理由を挙げます。
- フェルトに刺繍をするのはすごく楽
- フェルトと刺繍糸の組み合わせによって、セーターに馴染ませやすい
- 小さい穴なら表から貼るだけでOK
- 大きな穴なら裏から同じサイズのフェルトを貼ると頑丈に修理できる
- 仮止めとして布用ボンドを使うと、穴が固定されるので穴が広がらない
- 布用ボンドで刺繍糸の端も処理できる
強いて難点を挙げるとすれば、フェルトを正円に切り取るために、さまざまなサイズのポンチを買ったのですが(皮革用のポンチセット、ポンチを打ち付ける用の台、ゴムハンマー)、フェルトにポンチが効かず、ポンチで丸く跡をつけて、その中に刺繍し、跡を目安にハサミで切ることになったところでしょうか。
布用ボンドを端まで塗るとはみ出る恐れがあるので、中央にだけ塗布しますが、そうするとセーターに貼ったときにワッペンの端が浮いてしまうので、ここは縫いつける必要があります。
しばらくはこの作戦で穴を繕おうと思います。