『解説付 八重山古典民謡歌詞集』

八重山民謡を習い始めて2ヶ月のころに購入した。
唄の誕生の背景と、歌詞の読み方、意味が記されていて、A4版110ページ、3,000円と、この手の本にしては持ち運びやすくお手頃価格。

わたしの所属する教室は、随時入会ができるので、同じクラスの人でも入会時期はバラバラだ。さらにその日によって習う唄が違う。基本の曲があって(コンクールの課題曲)、基本の曲はほぼ毎回唄うのだが、いきなり唄い始める日もあれば、節回しを細かく説明する日もあれば、歌詞の意味を解説する日もある。

つまりたまたま先生が歌詞を説明する日にレッスンに行っていれば、その唄の意味がわかるのだけれど、休んでしまったり、先生がしばらく歌詞の説明をしなかったりすると、意味がわからないまま唄い続けることになる。

わたしにはどうにもそれが心地悪かった(たった2ヶ月、数曲しか習っていない段階にもかかわらず)。

かといって、入会早々、先生に歌詞の意味をひたすら質問する、ということもできなかった(先輩たちは意味を知っているかもしれないし、態度がデカすぎる)。

もちろんすぐにネットで意味を探しまくったけれど、参考になるブログなどは数少ない。

それで、この本を買った。すごく安心した。意味がわかった上で唄う安心感はとてつもない。

でも、編者がわたしの流派とは違うため、歌詞が違う唄もある。解説もあと一歩物足りず、ワープロで版下を作ったのかなというビジュアルも読みやすいとは言い難い。翌月、もっと詳しい解説集を買ってからは、ほとんど開くことがなくなってしまった。

でもいま、これを書くために久しぶりに開いたら、いいものを発見。「八重山の歴史や歌の年代及び発祥地と作者等」という2ページにわたる一覧。

八重山民謡は誰が作ったか、を問うことはほとんどない。作者不明の唄も多いし、わかっているものを含めて、みなの共通財産として唄い継いでいる。
……のだけれど、作者がわかっているものだけでも羅列されているのは便利。
そしてなにより、成立年代が示されているのがいい。歴史と対照できるので。

この2ページのために、たまには開くことになりそう。

書誌情報
『解説付 八重山古典民謡歌詞集』
編纂・発行:新城寛三
1998年11月発行
3,240円(2016年にAmazonで購入)

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