2.八重山の箏をどうしたら入手できるのか、というハードル

八重山の箏を始めると決まったものの、まずなんといっても、どうやって箏を入手したらいいのかがわからない。その前に、八重山の箏がどういうものかがわからない。見た目にはお正月にテレビで見る箏と似ていたような気がするけれど、間近で見たことも、説明を聞いたこともなかった。

石垣島にいる箏の師匠に電話して、入門を許していただいたお礼をお伝えしつつ、尋ねた。どうやら箏の本体はヤマトの箏(=お正月にテレビで見る箏)と同じらしい。でも弦はヤマトよりも緩く張られているそうで、それができる職人は石垣島にはおらず、みなさん那覇に送って、那覇で張ってもらって、送り返してもらっているとのこと。一式新品だと、練習用でも30万円ぐらいするようだ。舞台に出せるランクとなると、、、。

聞けば聞くほど、入手のハードルが高い。

中古でも十分ではあるが、知識のない人間が中古を買い求めるのは至難の技だ。電話口で言葉に窮していたところ、ヤフオクで箏を買っている姉弟子に相談しては、とアドバイスをいただいた。

すぐに姉弟子に連絡をした。じつは姉弟子とはその半年ぐらい前に、飲み会で隣の席になり、箏の面白さと、ヤフオクにはまっていることを聞いていたのだった。

姉弟子はLINEで、写真を交えながら必要な用具一式を丁寧に説明してくださった。それでもよくわからない。揃えるべき道具が三線よりずっと多いらしい。でもどうして必要なのか、組み合わさった状態を見たことがないのだから、とにかくよくわからない。

なんどもやりとりをした末に、姉弟子からのLINEがポンっと鳴った。

「一式取り揃えて送るので、送料を含めた実費を払って」

これ以上ないご提案に、思いつく限りの謝辞を打ち込んで、送信ボタンを押した。

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