エッセイ集「東京から唄う八重山民謡」

2022年11月に執筆を終え、その後、寝かせたままにしていたエッセイ集「東京から唄う八重山民謡」を、2024年6月から1話ずつ公開し、全26篇をnoteに公開しました。

八重山唄の研究成果として、唄や演奏はもちろん、論文などの書き物や発信は、教師になるまでは師匠の許可の下に行うべき(自分だけの意志で行うことは慎む)と、入門時に三線の師匠から言い渡されていました。教師になるまでの期間に、入門したてのころのことを忘れてしまうだろうと思い、師匠に許可を得て2年前に慌てて書き溜めたのがこのエッセイ集です。

「越城節」で不思議でしかなかった息継ぎ箇所には、いまでは悩むことはありませんし、冗談めかして「大事なことは二回言う」と表現した歌詞の対句の構造が文学用語でパラレリズムと呼ばれる形式であることなど、執筆時と比べたら理解が深まったところもありますが、あえて全文をほぼそのままで公開しました。

各篇で歌詞を紹介しつつ、その唄を唄う場で起きたことや、考えたことを綴り、歌詞の解釈に踏み込んでないものもあります。話が進むほど唄に近づいていきますが、唄のタイトルや、各篇のテーマから順不同でお読みいただける気軽なエッセイです。

noteのマガジンからまとめてご覧いただくなら、こちらからどうぞ。
下記の目次の曲名に1篇ずつリンクを張っています。

東京から唄う八重山民謡

はじめに

第1章 唄いはじめ
 三線も唄も|新安里屋ユンタ
 ほどほどが肝心|でんさ節
 発音は潔く|鷲ぬ鳥節
 囃子は語りかける|あがろうざ節
 息継ぎポイントを探せ|越城節
 唄はみんなのもの|月夜浜節
 大事なことは二回言う|舟越節
 暮らしを映す|くいぬぱな節
 誰でも、いつでも|しょんかね節

第2章 唄から文化を学ぶ
 情報のつかまえ方|ひゃんがん節
 被支配の歴史|蔵ぬぱな節
 布と女性たち|大浦越路節
 賄い女の人生|仲筋ぬぬべま節
 過酷な人頭税|大川布晒節
 災害を語り継ぐ|与那覇節
 強制移住とマラリア|崎山節
 解釈を引き寄せる|目出度節

第3章 唄い継いでいく
 選曲の基準|赤馬節
 交差する感情|つんだら節
 似ているもの、似て非なるもの|前ぬ渡節
 型となること|真南風乙節
 人物描写の視点|下原節
 わたしの文化とは|まんのをま節
 歴史に立ち会うということ|桃里節

おわりに
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