2025年の三線の初稽古が1月5日、「新春 弾き初め斉唱・独唱会」として行われました。三線の師匠と門下4研究所による共同開催でした。
前年末までに独唱希望者の募集があり、13人が手を上げました。ふんだんな独唱に斉唱も取り混ぜた、新春らしいにぎやかなプログラムで、わたしは多くの演目で箏伴奏をしました。
これまでも師匠の研究所の発表会では、同門の方々の独唱や斉唱に箏伴奏をすることはありましたが、発表会は数年に一度ですし、慌ただしく過ぎますので、じつは同門の方々に落ち着いて箏の音色を聞いていただいたり、箏伴奏付きで唄っていただいたりする機会は、ほとんどありませんでした。今回は箏をたっぷり演奏させていただき、箏のオペレーションや楽器の扱い方、値段など、さまざまな観点から関心を持っていただくことができました。
箏のお弟子さんによる箏独唱や、お弟子さんが箏伴奏をする演目もありました。丁寧に演奏している様子を見ながら、今年のお稽古をどのように組み立てていこうかと構想を膨らませました。
わたしも「つんだら節・久場山越路節」の三線独唱をし、笛の伴奏をつけていただきました。琉球王府の命令で、恋仲の男女が引き裂かれ、女性だけが黒島から石垣島に強制移住させられたことを謡っています。新春の喜びとはほど遠い唄ですが、長らくこの唄を思いを込めて唄えるようになりたいと考えていたので、この機会に唄ってみました。
「つんだら節」のチラシである「久場山越路節」は、教本にない歌詞に挑戦しました。練習中は唄えるという感触だったのですが、本番になると歌詞を滑らかにメロディーに乗せることができませんでした。唄い慣れた歌詞と慣れてない歌詞では、こうも変わってくるのだなと体感しました。
今年は巳年。ヘビを縁に、いままで以上に三線に力を注いでいきたいと思います。
当日演奏した曲目(担当した楽器等)
- 斉唱:鷲ぬ鳥節・鶴亀節(箏伴奏)
- 器楽合奏:渡りぞう・瀧落菅攪(箏)
- 独唱:いやり節(箏伴奏)
- 独唱:でんさ節(箏伴奏)
- 独唱:与那覇節(箏伴奏)
- 斉唱:たらくじ節(箏伴奏)
- 斉唱:目出度節・繁昌節・崎枝節(唄三線)
- 独唱:石ぬ屏風節(箏伴奏)
- 独唱:つんだら節・久場山越路節(唄三線)
- 独唱:しょんかね節(箏伴奏)
- 独唱:仲筋ぬヌベーマ節(箏伴奏)
- 独唱:小浜節(箏伴奏)
- 独唱:月ぬまぴろま節(箏伴奏)
- 独唱:前ぬ渡節(箏伴奏)
- 独唱:岩崎節(箏伴奏)
- 斉唱:黒島節・弥勒節・やらよう節(唄)