昨年末、東京朝鮮中高級学校の民族管弦楽部と吹奏楽部のみなさんの発表会に誘っていただき、高校生とは思えないクオリティの高い演奏にたいへん驚きました。吹奏楽部は全国大会に出場する一方、民族管弦楽部にはそうした大会がなく、その日のように保護者向けの発表会しかない状況だと聞いて、非常に惜しいことだと思いました。発表の場があると、俄然、練習が楽しくなりますから。
そこから生徒さんと顧問の先生が一念発起し、卒業生や保護者が実行委員会を結成して、8月21日にチャリティコンサートを開くことになりました。同校には都からの補助金がなく、財政的に苦しい状況にあります。そんななかでも生徒たちが勉学と部活動に励んでいることを、音楽を通して伝える機会として企画されました。
でも、民族管弦楽部の生徒たちは、これまで一般向けに演奏したことがないため、演奏がどのように受け止められるのか不安に思っていたところがあったそうです。
そのため、民族楽器を演奏する者同士で演奏を聴き合い、感想を交換する交流会が5月11日に開かれることになり、保護者の方にお声がけいただいて参加することになりました。
三線を一緒に学んできた大月ひろ美さんとユニットを組み、せっかくの機会なので、八重山民謡のルーツであるアカペラから、三線、箏伴奏付きと、いろいろ聴いていただこうと、セットリストを考えました。
- ユンタしょうら・多良間ユンタ(二人でアカペラ)
- 真南風乙節・小浜節(大月さんが三線、わたしが箏で交互に独唱)
- 弥勒節(二人で唄三線)
高校生から、楽器の素材や、出自ではない民族楽器を始めた理由から、「どうして指揮者もいないのに前を向いて演奏するのか」といった思ってもいなかったことまで、たくさんの質問がありました。
わたしたちからも生徒たちに質問をして、いろいろ教えてもらいました。カヤグムという朝鮮楽器の箏の弦は、金属なのだそうです。八重山の箏よりも指への負担が大きそうです。左手で弦を揺らす奏法があるところには共通性を感じました。
予定を大幅に超えて長時間にわたる交流会になりましたが、音楽を媒介にすると、お互いに興味が尽きることがなく、楽しいひとときでした。8月のコンサートがとても楽しみです。